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感染症の情報など

ボルネオに行くうえで関係してくる、感染症について解説しています。

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疑わしい症状が出たら 感染症には潜伏期間があります。1週間くらいの旅行なら、発症するのは帰国してからのケースが多いと思います。心構えとして、何を知っておけばよいかを私なりに整理してみました。
気をつける必要がある
主な感染症
ボルネオ・サバ州で生きもの観察をするうえで、気をつけた方がよい感染症の解説です。症状や予防法、もし発症したらどうするかなどを私なりに考えて書いてみました。よその地域に比べれば、あんまりやばい感染症はありません。
感染症関係の
参考サイト
今のところ、全般的なことを把握できるサイトのみ紹介しています。個別の地域の詳細な情報は、やっぱりネットなどで探してみるしかないと思います。


疑わしい症状が出たら
感染症は感染から発症するまでに潜伏期間があります。ここで述べる感染症については、短期の旅行であれば、帰国した後で発症するケースがほとんどです。もし疑わしい症状が出たら、医師に相談することになりますが、その場合、
  • どこの国のどの地域に
  • 何日から何日まで滞在し
  • どのような場所で何をしたか
  • 帰国して症状が出たのはいつで
  • どのような症状か
をちゃんと説明しなければいけません。相談前にメモを作っておきましょう。
特に、いつから、どのような症状が、どのくらい続いたかは非常に重要な情報ですから、詳しく記録を取っておいてください。
  • 発熱
  • いつから、何度の熱が、どのように出たか。一度下がってまた出たなどについても、ちゃんと記録しておくこと。マラリアの診断についてはこれが非常に重要です。
  • 痛み
  • 頭痛や筋肉痛など。デング熱では目の奥の方を圧迫されるような強い痛みがあると聞いています。体の節々が痛むなどの症状もあるようです。自分の痛みの症状がどのようなものか、的確に医師に伝えられるよう、メモしておきましょう。
  • 発疹
  • いつから、体のどの部分に、どのような発疹が出たかなど。ダニに刺された後に発熱と発疹が出る場合があるので、ダニに咬まれた跡があれば、そのことを医師に伝えましょう。
  • 下痢
  • いつからどのような下痢が、何回くらい続いたかなど。
気をつける必要がある主な感染症
マラリア (Malaria)
蚊が媒介する感染症です。→参照:「感染症別情報:マラリア」 (厚生労働省検疫所
ボルネオのサバ州では、あまり感染の危険性は高くないと思いますが、運が悪ければ感染することもあり得ます。まずは、行き先の周囲で患者が出ているかどうかを、 現地の旅行会社や住んでいる人に聞いてみることです。患者はいないとか、めったに出ないということであれば、問題はありません。

予防:蚊に刺されないようにすることです。虫除けを塗る、蚊取り線香を持ち歩く、長袖を着用して皮膚の露出を最小限に抑えるなどです。一応、経口の予防 薬がありますが、かなり危険性の高い汚染地域に入る場合でなければ、飲む必要はありません。今まで私が行った場所(ダナム・バレー、タビン、スカウ、キナバル山) でその必要を感じたことはありません。予防薬は副作用が強く、身体への負担が大きいので、飲む必要がある地域で長期に活動する人でも、飲まないケースがあるようです。予防薬を日本で入手するのは難しいです。なお、マラリアに対するワクチンは無いので、予防接種はありません。

症状:マラリアの種類によって潜伏期が違います。旅行から10日以上経過して、発熱の症状が出て持続するようなら、疑ってみたほうがいいかもしれません。 一度熱が下がってもまた上がったなどの発熱の状況、体温などについて詳しく記録を取っておくと、医師が診断する時に非常に役立ちます。

受診,治療:日本国内でマラリアの治療薬をちゃんと用意している病院は少ないし、知識を持った医師がいなければ、病院で診てもらっても、見過ごされて適切な治療を受けられない危険性があります。あらかじめ、感染を疑うような症状が出たらどこの病院に行けばいいのか、算段をつけておいたほうが無難だと思います。病院の選択などの問い合わせ先としては、検疫所の電話相談 (厚生労働省検疫所) や県や市の医師会あたりがいいと思います。 海外渡航者の為の医療情報サーヴィスに 「緊急時に相談できる医療機関」の一覧もあります。入院治療 が必要となる場合があります。


デング熱(Dengue Fever:ボルネオの現地ガイドは「ディンギー」と呼んでいました)
蚊が媒介する感染症です。→参照:「感染症別情報:デング熱」 (厚生労働省検疫所
マレーシアの半島部では、毎年かなりの患者が出ているようですが、サバ州ではそんなに出ているようには聞いてません。運が悪ければ発症するといった程度でしょうか。 マラリアよりはこっちに感染する可能性が高いでしょう。動物の写真を撮っていて感染したことがあるという人がいました。

予防:蚊に刺されないようにすることです。虫除けを塗る、蚊取り線香を持ち歩く、長袖を着用して皮膚の露出を最小限に抑えるなどです。ワクチン、予防薬はありません。

症状:潜伏期間は3〜15日(通常5〜6日)。38〜40度の熱が出て、それが5〜7日間続くようです。発症したことのある人(2人)に聞いたところ、目の奥の方に強く押 されるような痛みが出るそうです。インフルエンザの様に体の節々が痛む症状もあるそうです。ケースによっては、発疹を伴ったりするようです。

受診,治療:やはり感染症の知識を持った医師でないと診断できないので、症状から感染が疑われる場合は、あらかじめ検疫所などに問い合わせて、どこの病院に行くかを決めた方がいいでしょう。治療薬は無く、対症療法が中心となります。入院治療が必要となる場合があります。

レプトスピラ症(Leptospirosis)
細菌の仲間レプトスピラによる感染症です。→参照:「感染症別情報:レプトスピラ症」 (厚生労働省検疫所
2000年8月末にボルネオ・サバ州で開催された冒険レースの参加者が複数感染した事例が報告されています。日本人参加者1名も帰国後間もなく発症し、入院治療を受けています。ネズミなどの保菌動物の糞便によって汚染された川や湖などの水の中で活動することにより、経口、経皮的に感染します。このケースでは、降雨によりセガマ川に汚染された土壌が流入して水が汚染され、そこで泳いだ参加者が感染したと考えられています。日本国内では沖縄本島や西表島などの八重山地域で散発的に患者が報告されている感染症です。

症状:潜伏期間は3〜15日(通常5〜7日)。主な症状は高熱で頭痛や悪寒、全身倦怠感の他、節々が痛んだりするようです。眼球結膜の充血も特徴的みたいです。

受診,治療:やはり感染症の知識のある病院での受診が望ましいです。治療自体は適切な抗生物質を投与すれば、重症化していなければ、難しいものではないようです。入院治療が必要となる場合があります。

参考文献
「マレーシア,ボルネオ島で感染したレプトスピラ症の1例」
感染症学雑誌(日本感染症学会)第75巻第12号 (PDFで論文が読めます)

Update:Outbreak of Acute Febrile Illness Among Athletes Participating in Eco-Challenge-Sabah 2000-Borneo , Malaysia , 2000.」
CDC MMWR 2001;50:21―4.

狂犬病 (Rabies)
狂犬病ウイルスに感染した動物に咬まれたりして感染します。→参照: 「感染症別情報:狂犬病」 (厚生労働省検疫所
ボルネオではインドネシア領での報告はされているようですが、マレーシア領での発生の報告は無いようです。でも地続きですから、注意は必要です。犬に咬まれたりした場合は、在コタキナバル総領事館 Tel: (60-88) 254169にでも相談 してみるといいと思います。

症状:潜伏期間9日〜数年(通常20〜60日)。発症した時点でアウトです。治療薬はありません。確実に死にます。しかし、潜伏期間が長いので、速やかにワクチン接種を受けるなど処置を受ければ大丈夫です。

咬まれたら:感染が疑われる動物に咬まれたり、ひっかかれたり、傷のある場所を舐められたりしたら、ワクチンの暴露後接種を数度に分けて受ける必要があります(予め予防接種を受けていない人は受傷後0,3,7,14,30,90日目にそれぞれ接種を受けます)。 傷が深かったり、上半身など頭部に近い場合などは狂犬病免疫グロブリンの注射を受ける必要があるので、現地で速やかに病院に行って処置を受けた方がいいです(日本では狂犬病免疫グロブリンは入手できません)。やばいと思ったら現地の領事館などにどこの病院に行けばいいのかなどを相談しましょう。日本で受傷後のワクチン接種を受ける場合は、帰国した空港で検疫所に相談してワクチン接種を受けられる病院を紹介してもらう方がいいと思います。すぐに使えるワクチンを用意している病院があるとは限らないし、特に田舎の場合は難しくなると思うので、国際空港に着いた時点で相談をして、最寄の病院を紹介してもらいましょう。
参考:「狂犬病(国立感染症研究所感染症情報センター:感染症の話)

破傷風 (Tetanus)
破傷風菌による感染症です。→参照: 「感染症別情報:破傷風」 (厚生労働省検疫所
野外でのフィールドワークを行う人は、注意しておく必要があります。大体の人は幼児期に予防接種を受けているはずですが、接種から10年以上経過している場合は、追加接種を受けておいた方が無難です。

ダニ媒介性の感染症
サバ州でこういう感染症が報告されているかどうか、情報は無いのですが、世界にはダニが媒介する感染症がたくさんあるので、気をつけるに越したことはないです。日本では ツツガムシ病などがあります。ジャングルや藪の中を歩いた後は、しっかり服をはたくなどして、気をつけましょう。私は可能な限り、毎晩着替えて髪を洗うようにしています。

淡水には気をつけよう
レプトスピラ症などの他、寄生虫や細菌などに汚染されている危険性があるので、むやみに川で泳いだりしない方がいいと思います。特に、上流に集落がある場合などは汚水が流入しているので、人由来の汚染の危険性があります。

下痢について
海外旅行をしていると、下痢を起こすことがよくあります。下痢の原因が食中毒なのか、感染症なのか、体調不良によるものなのか、ちゃんと様子をみて、ある程度症状を把握するまでは、下痢止めを飲まないほうがいいと思います。下痢は腸の中の悪いものを排出する作用でもあるので、むやみに薬で抑えてしまうのは危険です。長時間乗り物で移動するのでやむを得ない、などの理由がない限りは、水分補給をしっかりしつつ、メモを取りながら状態を観察しましょう。明らかに通常の下痢と違うと思われた場合は、さっさと医療機関を受診する方がいいと思います。
感染症関係の参考サイト
海外渡航者のための感染症情報(厚生労働省検疫所)
海外旅行をするうえで把握しておくべき感染症、予防接種、各国の感染症流行情報を、とてもわかりやすく解説、発信しています。
専門家向けですが、各国の最新感染症発生情報が届く「プロメド情報」がおもしろいです。

海外渡航者の為の医療情報サーヴィス(マラリア情報ネットワ ーク)
マラリアや他の感染症などが疑われる症状が出た場合に、相談できる医療機関の一覧があります。
緊急時に相談できる医療機関
その他、マラリア予防薬や各感染症の予防接種についての情報などもあります。

サイトが行方不明です。姫路獨協大学のサーバーで運用されていたのですが・・・。(2006.3月時点)

JOHAC 海外勤務者のための総合健康管理施設
海外勤務者のための医療・衛生情報」が詳細で非常に役立ちます。予防接種や気をつけるべき感染症、医療機関の情報や衛生事情など、内容は多岐にわたっています。

CDC(Centers For Disease Control and Prevention)
アメリカの疾病対策センターです。エボラ出血熱やSARSなど、何か起こったら大活躍してる機関です。ネットで積極的に感染症に関する情報を発信しているところなので、各地域の情報についても、細かいです。やっぱりアメリカの機関はやることのスケールが違います。

国立感染症研究所 感染症情報センター
日本の感染症対策を担う機関です。サイトデザインがわかりにくいですが、「感染症の話」は各感染症の解説が詳細にしてあっておもしろいです。まあ、国内の感染症情報がメインのサイトなので、興味があればのぞく程度でいいと思います。

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