カタカタ ボックス
生きもの観察紀行

7月25日 (3日目) (2004年 7月 ボルネオ島) タビン

5:50起床。6:30からロッジ周りでバードウォッチング。ちょっともやが出ているが快晴です。
ロッジから道路に出て橋までをゆっくりと歩くことにしました。
並木道を歩いているとムラサキサギが飛んできて木の上に止まりました。
カンムリワシがテレビアンテナの上でボーっとしてました(こいつは割とのんびりした雰囲気の猛禽です)。
ロッジ敷地の入り口付近の湿地状の草原から、シロハラクイナが3羽、うろうろと出てきました。
入り口から続く並木ではクビワヒロハシ、シキチョウ、シラガシキチョウ、ムナオビオウギビタキ、アオハウチワドリ、キンパラなどを見ました。ルリノドハチクイも昨日と同じ場所にいたし、この並木道は結構いろいろな鳥が出て、バードウォッチングに最適です。楽して鳥を見るなら、ぜひここでどうぞ。

シロハラクイナ シラガシキチョウ
ヒタキサンショウクイ クビワヒロハシ
ムナオビオウギビタキと巣

ぼーっと並木道に立っていると、カササギサイチョウやブッポウソウが上空を飛んで行きます。
がさがさとうるさいなーと思っていると、アブラヤシ畑の中をアブラヤシの葉を伝いながら、カニクイザルの群れが移動して行きました。
橋まで歩いて行くと、ムナオビオウギビタキが橋の下の土手に出入りしていました。見ると巣作り中です。草を編んで小さなロウト状の巣を作っていて、ペアで熱心に作業をしていました。
のんびりと鳥見をしている内に、時計が無いので正確な時間はわからないけど、かなり日差しが強くなってきました。そろそろ朝食の時間だと判断し、引き返しました。

食堂のテーブルに座ると、サンドイッチの入ったランチボックスが用意されていました。昨晩、「欲しいときには頼めば弁当を作ってくれるか?」 と質問したんですが、どうやら気を利かせてくれたらしい。今日はいらんのだがなーと言いながら、昼に食べればいいやということで置いていくことにしました。だいたい、一緒に行動するガイドさんの分が無い。私らだけで食べるわけにいかないじゃん、ということもありました。

朝食後、フィールドノートにメモをしようと思ったら、今度はボールペンが失くなっています。また落としてしまったらしい。トホホです。とりあえずシャーペンを使ったがずいぶんと読みにくい。街に戻ったら売店を探してボールペンを買うぞ、と決意しました。

朝食後はMCさんと9:00に待ち合わせをしていたんですが、こちらの準備が遅くなって出発が9:30になってしまいました。後で田仲さんから「MCさんが日本人はルーズだと言ってたよ」と聞きました。「マレーシア人にルーズと言われたらお終いじゃん!」と反省。以後、時間の管理をちゃんとすることにしました。腕時計は落としてしまったので、目覚まし時計を持ち歩くことにしましたが邪魔でした。

この日は田仲さんの職場(野生生物局の出張所みたいなところ)の横からトレイルに入り、マッドボルケノまで森の中を歩きました。
入り口の草むらでヌマガエルっぽいカエル発見。背中の真ん中に白線がありました。後で調べるとまんまヌマガエルでした。

タビンは原始林からなるコアエリアの周りに、1980年代に伐採が入った後の二次林があって、アブラヤシプランテーションがあります。コアエリアにはバンテンやスマトラサイがいるらしいですが、道は橋が落ちているため車が通れず、歩けば2日がかりだそうです。とてもじゃないが行けるもんじゃない、ということで我々がタビンで観察して回れるのはいずれも結構いい感じになってきている二次林です。この日のトレイルもそんな感じの森の中を通っており、ここをゆっくりと鳥や植物、動物の足跡、糞、虫やきのこなどを見ながら、ぼちぼちと歩きました。きのこやアリの群れ、日本とまったく同じようなオトシブミの落し物などを見つけてはしょっちゅう止まるので、一向に先に進まない。11:00ごろ田仲さんに「今どこらへん?」と聞くと、「行程の半分くらい」と言われ、あせりました。「さくさく歩きましょうや」と言って足を速めましたが、やっぱり目移りするので速度は遅い。やっとマッドボルケノに着いた時には12時を回っていました。
そこらでまたうろうろして、やっと帰途に就きました。森から出るといい天気で日差しが強く、非常に暑かったです。

Grass Frog ヤスデの一種 15cm近くある
オトシブミの落し物

今度は昨日通った車道を歩いてロッジに向かいました。歩いていると、何やら道路右のやぶに飛んできた鳥がいます。田仲さんが「あー、ムネアカハチクイの若鳥ですよ!」と言うのでよく見ると、ルリノドハチクイよりはるかにでかいハチクイが居ました。ダナムバレーで成鳥を見たことがありますが、あれはノドの下が鮮やかな紅色だったのに、この若鳥はオレンジ色です。図鑑を見ても若鳥の絵は無いので、田仲さんが居なかったら悩んだところでした。光線の加減が悪くて、ビデオの映像はぼやけてしまいましたが、珍しいものをじっくり観察することができたので良しとします。
この後、こんどはクリイロバンケンモドキのペアが出たり、クロサイチョウが飛んだり、などなど鳥を見るためにしょっちゅう立ち止まるので、結局、ロッジに帰り着いたのは14時でした。橋の近くでウオクイワシが上空を舞うのを見たりもしたし、ロッジ近くでカニクイザルの群れも見ました。

ムネアカハチクイ(若) 同左

ロッジに帰ると、スウェーデン人(次の日に聞いた)の10人くらいの親族集団?が車2台でやって来ていました。今夜のナイトドライブは賑やかになるかもしれないと思いました。
食堂に入ると焼飯を作ってくれたので、頑張ってサンドイッチと両方たいらげました。苦しい。

さて、午後の活動までちょっと休憩するか、とシャレーに帰り、ごろっと床に寝転んだら(←外でうろついた体でベッドに入ったりは絶対しないが、シャワーを浴びるのも面倒くさいので)、入り口と反対側にある川に面したバルコニーの天井に何やら黒いものがぶら下がっているのを見つけました。
「あーっ! コウモリじゃん!!」と慌てて起き上がってバルコニーに出てみると、小型の食虫性コウモリでした。3mくらい上だし光線の加減がよくないので、肉眼では細部がわからない。双眼鏡は近すぎてダメ。ビデオで撮ろうとしたが暗いのでダメ。ナイトショットを使ってやっと撮影できました。映像は鮮明ではないが、マンガのブタのような鼻の感じと耳の感じで、カグラコウモリの仲間であると判断しました。上田さんと志保ちゃんを呼んできて、ひとしきり観察しました。後でロッジの職員に言ったら、食堂のバーカウンターの中の天井にもいつも居るよと言ってました(後日、確認しました)。

カグラコウモリ sp.

一休みして、また車でマッドボルケノに向かいました。16時前ごろトレイル入り口に着。
昨年の7月にここに来たときに、トレイル入り口近くのメンガリスの木でボウシゲラを見ていたので、今年も見られるかもしれないと、みんなと別れて一人車道に残りました。
ノドアカコバシタイヨウチョウなどを見ながらうろうろ。メンガリスには相変わらず、ミドリカラスモドキがたくさんいて、周りの木でもうろうろしています。ムクドリと違って、地面には降りないのかな?

飽きたのでちょっとトレイルに入って歩きました。ピー、ピー、とカエルの様な声が林床でするので、しゃがみこんでいろいろ探したが、見つけられませんでした。
九官鳥の声が聞こえて来たので耳を澄ましていると、「トゥクトゥクトゥク・・・」とゴシキドリの声真似をしていました。

林内が暗くなってきたので、車道に戻ろうと引き返すことにしました。右手小指の付け根がかゆいので見ると小さいブラウンリーチ(ヒルです)が食いついています。不覚! 気が付かんかった。虫除けスプレーをかけて払い落としましたが、やはり出血が止まらない。しょうがないのでティッシュを巻いておきました。ブラウンは落ち葉の中に潜んでいるので、落ち葉をかき回したりする時には要注意です。

トレイルから車道が見えた辺りで、やぶの中にサンバーを発見。あっという間に森を飛び出て、車道を横切り、対岸の森に入って行ってしまいました。「ドカラッ、ドカラッ」とすごい音でした。たぶんメスだと思います。お尻の白い部分がよく見えました。1回のジャンプの距離が長いので、二飛びくらいで、本当にあっという間でした。

車道に出て、もう1回メンガリスを見に行って待っていると、この木はねぐら入り前の通り道か何からしく、カササギサイチョウなどが飛んできては通り過ぎて行きました。そのうちやっとボウシゲラが現れました。木は馬鹿高いし、光線の具合がよくないので、フィールドスコープでもかろうじて顔の色がわかる程度でしたが、十分、ボウシゲラというのはわかりました。2羽居ました。トレイルから出てきた他の人にも確認してもらって、みんなで満足して帰途に就きました。途中、トラックの上をトビトカゲが滑空して横切ったりと楽しかったです。

夕食までうろうろ。敷地内で結構でかいホタルを見ました。
夕食後の時間は、懐中電灯を持って、ロッジ周りでカエルやヤモリ探しです。ロッジ横のトイレの外側の壁に、スミスヤモリが3頭もいました。ホースフィールドトビヤモリも1頭。明日、ゆっくり撮影することにしました。できればつかみ捕りをしたいんですが、警戒心が強いので無理だろーなー。つくづく、最初の日につかみ損ねたのが惜しかったです。

なんかヤモリ ホースフィールドトビヤモリ

ナイトドライブの出発は21時。スウェーデン人家族がおり大人数なので、大きなトラックでした。我々は荷台の最後尾に乗り込んで出発。コースは昨日と同じです。晴れてて、風もありませんでした。
昨日はMCさんがライト係でしたが、この日は若い兄さんです。MCさんに比べるとあまり上手ではないようだったので、私も自前のライトで動物を探すことにしました。

車でしばらく行くと、アブラヤシ畑の中にジャワジャコウネコやパームシベットが居ました。
先に進むと車道左側の木の上にマレーワシミミズクがいるのを田仲さんが見つけました。大きくて立派。耳のような羽がよく見えました。嘴も大きかったです。去年、ダナムバレーでも見ましたが、こんな開けたところに出てくるとは思いませんでした。

この日は、昨日とは打って変わって、生きものがなかなか出て来ない。予定の場所まで行って引き返していたら、やっとベンガルヤマネコを1頭見つけましたが、草むらの中にいて少し毛皮が見えただけでした。
ずっと走ると、切り開かれて、草原と潅木が生えた広い空間にぽつんと高木が立っているところで、高木の上に光る目を見つけました。双眼鏡で見ると、オオアカムササビらしいのですが、ものすごく遠かったので、双眼鏡を持ってない人にはほとんど見えなかったと思います。やはり、双眼鏡は必需品です。
ずっと走ると、ロッジ手前の茂みにサンバー2頭を見つけました。お尻の白い毛が闇の中でもよく見えました。
ロッジに帰り着くとスウェーデン人の一人が、「あなたライトで探すの上手だね」と言ってくれたので、うれしかったです。

マレーワシミミズク サンバー

それからなんとなく食堂でフリーサービスの紅茶を飲みながら4人でおしゃべり。途中、カエルを探そうかと川をのぞきに行ったんですが、雨のせいで増水していたのであきらめました。代わりに従業員宿舎の横にある池をのぞきに行ったら、予想どおりGreen Paddy Frogがたくさん居て「カカカカカッ」とカスタネットの様な泣き声を響かせてました。

Green Paddy Frog


また食堂に帰っておしゃべり。天井扇の真下のソファーで話をしていたら寒くなってきたので、23時ごろ解散しました。

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