カタカタ ボックス

私が観察した日本のサンショウウオを紹介しています。
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カスミサンショウウオ
サンショウウオ科 (Hynobiidae) 
カスミサンショウウオ
Hynobius nebulosus
Clouded salamander

体長:成体7cm〜12cm

全て、広島県芸北町で撮影したものです。

上の左右の個体は多分オスです。産卵には遅い時期に湿地に居たので、しばらくその場所で過ごしていたものと思われました。のんびりしてたのかな?

左はまさに産卵時期に湿地横の道路の排水桝に居たものです。*1によるとオスは繁殖期に下アゴが白くなるそうなんですが、意識して観察したことが無いのでわかりません。うっかりしてました。来年はちゃんと見ます。

*1によるとカスミサンショウウオは基本的には標高300m以下の低地に住むらしいです。広島県尾道市や東広島市だと、山際の田んぼのへりに切ってある細い溝などに、3月頃に産卵するらしいです。「らしい」とか書いているのは、私が県北西部にある芸北町の個体しか観察したことがないからです。尾道市や東広島市で見られる個体は、他地域のカスミサンショウウオと違って尾の黄色が目立たないそうです。

芸北の観察地は標高800mくらいです。広島県の両生類を研究している先生に聞いたところ、芸北町の個体は尾の上下にはっきりした黄色い部分を持っていて、この特徴は島根県の松江市などで観察できる個体と似ているそうです。ただ、芸北の個体は後肢の第5趾を完全に欠いているが、松江市などのものはちゃんと5本ある所が違うのだそうです。山陰側のものと近いが、地域個体群で変異が起こっているということでしょうか?

この他、標高600m〜1100m、広島県作木村から兵庫県千種町に至る中国山地と鳥取県大山の高地に分布する高地型と呼ばれる別のグループがいるとか、いろいろ面白い話があります。カスミサンショウウオは産卵地からあまり離れない(どのくらいか聞いたんですがメモが見つかりません。探しておきます。)、ということなので、それだけ地域的な変異が大きい生きものなんだと思います。興味深いですね。

左上は発生が始まってない卵のう。

右上はかなり進んだもの。

左はその拡大です。卵のうの中には、一つ一つに分かれて丸い袋に入った胚が並んでいます。

さて、他の場所のものは観察したことがないので、芸北町の話になりますが、産卵時期は4月初旬です。森の中の湿地、山際の湿地や湿地状になった溝などに、写真のように、真ん中を木の枝などに固定して二房の卵のうを産みます。片方の卵のうに大体20個〜40個の胚が入っています。大体、25個前後が多いです。個数はメスの成熟具合や栄養状態に左右されるんだと思います。

産卵行動は多分、夜にやるんでしょうが、観察したことはありません。同じ位置に複数の卵のうが産んであるので、オス、メス複数が集まってやるのか、一頭のオスのところに、次々とメスがやってくるのか、見たことがないのでわかりません。
止水に産卵するとされていますが、まったくの止水ではなく、濁っても5分くらいで澄んで来るくらいの水の動きがあるところを好みます。下はきめ細かな泥がある程度堆積しているところを好むようですが、水の動きがあるので、ヘドロ臭はしません。

卵は1ヶ月くらいで孵化します。

← これで3.5cmくらいです。観察は6月だったかな? 幼生はエラ呼吸です。

3ヶ月くらいで変態するようですが、上陸した個体を見たことはありません。
エラは吸収されて無くなってしまいます。成体は肺呼吸します。


後肢の第5趾についての参考資料
「後肢趾が4本のカスミサンショウウオの集団について」大川博志・宇都宮妙子・奥野隆史
比婆科学 191,p.47-p.52(1999)/比婆科学教育振興会
まだ、研究途中だそうです。

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