| 2006年 1月の雑記 |
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■2006.1.30(月) ご無沙汰しております。 今日は一日、暖かくて、夜はオヒキコウモリが飛んでおりました。 ボルネオのヘビ1種とカエル2種を生きもの図鑑に追加する予定なんですが、遅々として作業が進んでおりません。これかな?という種の当たりは付けたんですが、もう少し時間をくださいませ。お借りした写真なので申し訳ないですー。 さて、時間が無いと言いながら、しょっちゅう脱線して余計なことをしているわけなんですが、ちょいと今、調べてみたいのがブチハイエナ(Crocuta crocuta)の外生殖器についてです。 週間文春の2月2日号を読んでいたら(例の野口社長の自殺の謎の記事目当て)、立花隆が「ヴァギナ 女性器の文化史(河出書房新社)」を読んだ感想を書いていました。その中に、「ブチハイエナの雌は陰核(クリトリス)が肥大化して陰茎(ペニス)状になっており、尿道、産道もこれを通っており、そのため初産で60%が死亡するそうだ、へえ〜〜」みたいな事が書いてありました。ええ〜っ、立花さんはよく科学的なネタで勘違いしてる人だからなー、と思ったんですが、ネットでざっと調べると、どうやら本当のようです。 ●待ち望む出産ラッシュと子育て (日本平動物園) へえ〜、哺乳類でDNAを調べないとオスかメスかわからないなんて、すごい話ですね。 ●ブチハイエナ写真(くたくじらんど) 生殖器の写真が見られます。 ●The Ontogeny of the Urogenital System of the Spotted Hyena(Crocuta crocuta Erxleben)(PDF) コーネル大学の獣医学部のサイト内にありました。 なかなかおもしろそうな話です。どうしてブチハイエナだけこんな感じになっちゃったんでしょうね。上の論文は時間ができたらじっくり読んでみようと思います。生殖器の形成って胎児期のホルモン量に影響を受けるんですよね。どういう話になってるのか、楽しみです。 ■2006.1.16(月) 昨日の韓国の黄教授のデータ捏造問題に関して、一連の話をわかりやすくまとめた記事があったので、ついでに紹介しておきます。 ●堕ちた韓国の幹細胞研究者(2006/1/16:幻影随想) まあ、ものすごい話ですよ。この件に関して対応を誤れば、世界的に韓国の学者、韓国人に対する評価が下がる可能性大なので、本当なら国、世論を挙げて問題を追及し、正す所は正して韓国には健全な土壌がある事を世界にアピールしなければならないのに、全然そんな感じじゃないですね。 ■2006.1.15(日) どうもー。なかなか作業が進みません。やっとボルネオのカエルに2種追加できました。お気楽サラリーマンさんのお友達、りえぞーさんに写真をお借りしました。快くお貸しいただきありがとうございますー! でも、お借りしてもう1ヶ月も経っているのです。どうも申し訳ありません。図鑑をあれこれ開いて頭を悩ませているところございます。残りの種についてはもう少しお時間をください。 あと余禄。最近話題の韓国の黄禹錫教授のデータ捏造問題。あの教授がどういう研究をやってたのか、図にしてみたので参考にどうぞ。 ![]() 幹細胞(ES細胞)というのはこれを始まりにしていろいろな細胞に分化できる細胞の事を言います。動物は1個の受精卵から始まりますが、分裂して体を作っていく過程でいろいろな役割を持つ細胞へと分化していきます。分化してしまった細胞は核内に同じ遺伝情報(染色体)を持っているにも関わらず、もう他の役割の細胞になる事はできません。皮膚細胞から肝細胞を作る事は通常はできないのです。これをできるのが幹細胞。詳細は面倒なので他所で見てください。幹細胞はいろいろな細胞へ分化できるという事で、再生医療への応用面でとても期待されています。 それで、幹細胞にはいろいろあるのですが、中でも受精卵を元に作り出した胚性幹細胞は何しろ元が元なのであらゆる細胞に分化する事ができるという事で、とても期待されています。でも倫理面の問題があるので、そうほいほいと使っていいものではありません。通常は不妊治療で使用されなかった受精卵を、その親となる人の同意を受けて使ったりしている話です。宗教問題が絡んでくるとさあ大変、な話なので、どこの国の科学界もそれなりに倫理面を整理していると思います。 今回、韓国の教授が作ったと言い張ってた幹細胞は、EG細胞と言って卵子の元になる卵母細胞を使って作った胚性幹細胞です。この技術自体は牛やブタ、マウスで実現されています。黄教授はこれをさらに発展させて、あらかじめ卵母細胞の核を取り除いて、他の人の体細胞(皮膚)の核を移植してクローン胚を作った後、これを元にして幹細胞を作った、と言い張ってました。嘘でしたけど。 クローン胚を元にした幹細胞を作る事が可能なら、患者の体細胞の遺伝情報を持った幹細胞を自由に作る事が可能になります。免疫反応などの問題を考えるととても有用な技術なので、世界からとても注目されていた研究だったんですが、今回、大嘘がばれちゃったわけです。 ところで、図中になんでミトコンドリアを書いているかと言うと、このミトコンドリアの遺伝情報を解析する事で、できた幹細胞がどういう来歴の物かを明らかにする事ができるからです。受精卵の細胞質は卵子が出発点なので、動物の細胞は常に母由来のミトコンドリアを持つことになります。そういえば、ミトコンドリアイブとかありましたねー。あれです。 この研究の場合、核はドナーの体細胞から移植したので、クローン胚と幹細胞の染色体情報はドナーと同じ物になりますが、細胞質はそのままなので、ミトコンドリアの遺伝情報は卵母細胞提供者と同じ物となります。 今回、ソウル大学の調査委員会が黄教授の研究を調査したのですが、その調査ではそれぞれの疑惑の細胞について、細胞の遺伝情報、ミトコンドリアの遺伝情報、体細胞ドナーの遺伝情報、卵母細胞提供者の遺伝情報を調べて比較して彼の作ったと主張していた幹細胞は嘘っぱちだったという事が確認されています。 この黄教授のデータ捏造問題ですが、元々は違法売買卵子の使用や研究室の女子研究員に卵子を提供させていたなどの倫理問題で非難されていました。実は提供卵子を研究員が自分の精子を使って受精させた後、幹細胞にしたりという呆れた話などもあり、倫理面で非常に問題のある話なので、その辺もこれから追求されるものと思われます。 参考リンク ●幹細胞 (ウィキペディア) ●ヒト胚性幹細胞を中心としたヒト胚研究に関する基本的考え方 (2000/3/6:科学技術会議生命倫理委員会 ヒト胚研究小委員会) ●卵子形成(東府中病院) ●着床(東府中病院) ●胚盤胞(バイオテクノロジージャーナル:バイオキーワード集) 健康な女性の子宮に着床すれば人間として生まれて来る事が可能な受精卵を使った研究は、倫理面の議論を置き去りにできません。 ●堕ちた韓国の幹細胞研究者(2006/1/16:幻影随想) |
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